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QPS研究所とJAXAが J-SPARC事業コンセプト共創に関する覚書を締結

株式会社QPS研究所 (本社:福岡県福岡市、代表取締役社長:大西俊輔、以下、QPS研究所)と国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(本社:東京都調布市、理事長:山川宏、以下、JAXA)は、2020年2月26日(水)にJ-SPARC事業コンセプト共創に関する覚書を締結し、36機のQPS小型SAR(合成開口レーダー)衛星による準リアルタイムデータ提供サービスの事業実現に向けたコンセプトの検討、即ち共創を開始します。

QPS研究所は、20社の九州の地場企業と一緒に開発・製造した小型SAR衛星1号機「イザナギ」を2019年12月11日(水)にインドの『サティシュ・ダワン宇宙センター』より同国主力ロケットである『PSLV(Polar Satellite Launch Vehicle)』のC48に搭載し、高度約570kmの軌道へと打ち上げました。現在は初観測データ取得に向けて調整をしております。この打ち上げは、QPS研究所が目指す小型SAR衛星36機のコンステレーションによる準リアルタイム観測に向けての大きな第一歩となりました。打ち上げ成功後の、同年12月にはJAXAの60cm望遠鏡を使用し、イザナギの姿勢・運動状態を確認することを目的とした共同研究契約を締結。「イザナギ」の状態確認や軌道予測等を進めてまいりました。

この度、この共同研究の段階を経て、JAXAのさらに強力なサポートのもと、QPS研究所が目指す準リアルタイムデータ提供サービスをより早く、効率良く実現させるために、宇宙関連事業の更なる創出を目指す「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC:ジェイ・スパーク)」を締結する運びとなりました。これにより、QPS研究所が構築を進めている小型SAR衛星コンステレーション事業において、サービス価値を高めるために重要となる低レイテンシ化、画像圧縮化技術の検討を行い、即応性の高い事業を構想し、準リアルタイムデータ提供サービスの確実な実現化を目指します。

 

<画像圧縮化技術とは>「イザナギ」のSARセンサから得られる観測データは膨大な量となり、アンテナを通してダウンリンクをする際にも時間と電力がかかりますが、JAXAとアルウェットテクノロジー株式会社が共同開発したオンボード画像化装置を搭載することで、観測後、地上局にデータ伝送するまでの待ち時間に軌道上であらかじめ画像処理を行い、ユーザーへのデータ提供に要する時間を大幅に短縮することが可能となります。

(参考) http://www.jaxa.jp/press/2020/02/20200226-1_j.html

 

<QPS-SAR衛星のリスク分析支援> JAXAが開発した安全・信頼性を向上させる仕組みである「システム視点での軌道上動作保証手法」を用いて、小型SAR衛星の設計面及び運用面でのリスク分析、信頼性向上を支援します。

 

プレスリリースはこちらです

 

■「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)」とは

J-SPARC(JAXA Space Innovation through Partnership and Co-creation)は、宇宙ビジネスを目指す民間事業者等とJAXAとの対話から始まり、事業化に向けた双方のコミットメントを得て、共同で事業コンセプト検討や出口志向の技術開発・実証等を行い、新たな発想の宇宙関連事業の創出を目指す新しい共創型研究開発プログラム。

(参考) https://aerospacebiz.jaxa.jp/solution/j-sparc/

(共同プレスリリース)http://www.jaxa.jp/press/2020/02/20200226-2_j.html