QPS-SAR 9号機 「スサノオ-Ⅰ」米国Rocket Lab社 Electronロケットにて打上げ予定

小型SAR衛星QPS-SAR 9号機(愛称:「スサノオ- I」 )は米国Rocket Lab社(以下ロケット・ラボ)のロケット、Electronによって打上げ予定であることをお知らせいたします。
【打上げ予定詳細】
打上げロケット | ロケット・ラボ社 Electron |
打上げウィンドウ | 2025年3月10日(月)午前9時(日本時間)以降 ※日時は天候などの影響により、順延する可能性があります。変更がありましたら随時公式ウェブサイトのニュースページ、または公式SNSでお伝えします。 |
投入予定軌道 | 中傾斜軌道、高度575km予定 |
打上げ射場 | ニュージーランド・マヒア半島 Rocket Lab Launch Complex 1 |

今回の打上げミッションは、2025年2月28日に発表した、QPS研究所とロケット・ラボとの衛星8機分の打上げ契約のうち第1回目の打上げであり、当社の専用ロケットとして打ち上げられます。Electronでは毎回打上げのミッションネームが設定されていて、今回はQPS-SAR9号機の愛称「スサノオ-I」にちなんで「The Lightning God Reigns」と名付けられました。
「The Lightning God Reigns」ミッションの詳細:https://www.rocketlabusa.com/missions/missions-launched/the-lightning-god-reigns (英語ページ)

【QPS研究所 代表取締役社長CEO大西 俊輔 メッセージ】
「ロケット・ラボ社と8機分のミッションを共にできる発表をさせていただいたのがつい先日のことで、さっそく1回目の打上げについてお知らせできることを大変嬉しく思います。『スサノオ-Ⅰ』は、QPS-SARの量産を加速させていくために設けた新研究開発拠点『Q-SIP』から宇宙に向かっていく最初の1機です。新拠点の立ち上げと開発を両立してくれた弊社のチームを誇りに思い、大変感謝しています。また日頃より応援して下さるステークホルダーの皆様の期待に応えるべく、今後も予定している打上げを着実に実行してまいります。」
<Rocket Lab社について>
2006年に設立されたRocket Lab(ロケット・ラボ)社は、カリフォルニア州ロングビーチに本社を置くロケット開発会社です。2018年1月の最初の打上げから、Electronは米国で年間2番目に打上げ回数が多いロケットとなり、これまでに民間及び公的機関の200機以上の衛星を軌道投入しています。現在はニュージーランドに2つ、バージニア州に1つの合計3つの発射台を所持しています。今回の「The Lightning God Reigns」ミッションは、Rocket Lab社の今年では3回目、通算で61回目の打上げとなります。
<「QPS-SARプロジェクト」について>

QPS研究所は収納性が高く、軽量でありながら大型の展開式アンテナ(特許取得)を開発。そのアンテナによって強い電波を出すことが可能になり、従来のSAR衛星の20分の1の質量、100分の1のコストとなる高精細小型SAR衛星「QPS-SAR」の開発に成功しました。QPS-SARは民間SAR衛星で世界トップレベルの46cm分解能の画像取得が可能です。現在は商用機2機を運用しており、2028年5月末までに24機、そして最終的には36機の衛星コンステレーションで平均10分毎という準リアルタイム観測データ提供サービスを目指しています。
《QPS-SAR9号機の愛称とミッションマークについて》

QPS-SARプロジェクトでは、日本神話の神様のお名前をお借りして衛星に愛称をつけています。実証機1号機「イザナギ」、2号機「イザナミ」に続き、3号機以降は軌道ごとの名前となり、太陽同期軌道に入る衛星には「アマテル」、中傾斜の軌道に入る衛星は「ツクヨミ」という名前でした。今回の9号機は「ツクヨミ-Ⅱ」とは別の軌道に入るため、「スサノオ(英語:SUSANOO)」と名付けられました。スサノオは強い正義感を持ち、勇敢さと知恵を併せ持つ神様といわれています。今回のマークはスサノオの「雷・稲妻」がモチーフになり、英知を駆使し雲の先の地上を見守るという想いが込められています。この軌道の1機目となるので、9号機は「スサノオ- I(スサノオ・ワン)」となりました。
ミッションマーク:スサノオのマークはQPS研究所のカンパニーカラーであるブルーを基調とし、愛称のスサノオをイメージする雷、そして観測対象となる港や街を表しています。ツクヨミと同じく、傾斜軌道では経済活動が活発な大型都市圏が観測域に多く入ることになります。また、一目でどの衛星のマークか分かるように通算した衛星の数の数字を衛星の底部に入れています。