QPS研究所創業20周年に寄せて

2025年6月15日、おかげさまで株式会社QPS研究所は創業20周年を迎えることができました。多くのお祝いのメッセージをお寄せいただき、心より感謝申し上げます。
弊社は2005年、当時60代だった3名の創業者、九州大学名誉教授の八坂哲雄、桜井晃、ロケット開発者だった舩越国弘によって、九州・福岡の地で始まりました。宇宙開発への尽きないアイデア、ものづくりへの強い情熱、そして研究者としての誠実な姿勢を持った創業者たちは、民間の力で宇宙開発を進め、九州の地に宇宙産業を根付かせるという当時としては非常に先駆的でチャレンジングな道を選びました。その決意は社名のQ-shu Pioneers of Space(九州の宇宙の先駆者)にも表れています。
また、創業者たちが2000年代初頭より九州中を行脚し、宇宙技術を伝承し育成してきた北部九州を中心とする地場企業の皆さまに支えられ、QPS研究所は歩みを進めてまいりました。現在の衛星開発も、北部九州を中心とした全国25社以上のパートナー企業によって力強く支えられており、その存在なくして私たちの挑戦は成り立たなかったと深く感謝しております。
今、私たちは創業者らの培ってきたその絆と知見、技術を受け継ぎながら、小型SAR衛星の開発と宇宙産業の未来を切り拓く挑戦を続けています。私は、2013年に入社し、どんな時も目を輝かせながら挑戦を楽しむ創業者たちの一番近くで学びを得てきました。彼らの一人の弟子として、私の世代でその衛星開発の技術をさらに発展させ、宇宙ビジネスとして展開し、そして、しっかりと次の未来へこのバトンを繋いでいく使命を感じています。それは、決して平坦な道のりではありませんが、熱意溢れる社員一人ひとりの挑戦と、パートナー企業の皆さま、そして応援くださる多くの皆さまの存在によって、私たちは少しずつ、しかし着実に「世界トップレベルの高精細小型SAR衛星コンステレーション」の実現に近づいてきました。感謝の念に堪えません。本当にありがとうございます。
節目となるこの年、私たちは20年の歴史を振り返り、創業者たちの軌跡を辿る社史の編纂を進めています。それは、会社の20年にとどまるものではありません。60年以上にわたり宇宙業界に身をおき、ロケットや衛星の開発に挑み続けてきた八坂哲雄をはじめとする3人の創業者の生き様そのもの、時代とともに築き上げられた物語です。この社史では、彼らが夢に心を躍らせた幼少から青年期の姿、困難に立ち向かいながら信念を貫いてきた歩み、そして私たちの会社の礎を築いたその軌跡を余すことなく記し、新たな世代がその志を引き継いでいけるよう未来へと伝えてまいります。偉大な歩みを記録にとどめることは、次なる挑戦への出発点です。
この先の20年は、私たち自身が歴史を築いていく番です。宇宙に挑む覚悟と、九州という地域に根ざしたものづくりの精神を胸に刻み、私たちは新たな未来へと力強く歩み続けます。
引き続き、皆様の変わらぬご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
株式会社QPS研究所 代表取締役社長 CEO 大西俊輔

