小型SAR衛星QPS-SAR5号機「ツクヨミ-Ⅰ」の復旧状況に関するお知らせ

QPS研究所では、一部の通信系統に不具合が生じていた小型SAR衛星「QPS-SAR5号機(ツクヨミ-Ⅰ)」の復旧作業を段階的に進めてまいりました。その取り組みの中で、このたびSAR画像の取得に成功いたしましたので、ここに画像を公開いたします。
2025年8月7日発表 「(経過開示)小型SAR衛星QPS-SAR5号機の復旧状況に関するお知らせ」
観測日時 | 2025年8月7日 11時05分 (日本時間) |
観測地域 | ンジャメナ(チャド共和国) |
分解能※1 | アジマス※2分解能1.8m × レンジ※3分解能49cm |
観測モード※4 | ストリップマップモード(通常モード) |
画像処理協力 | アルウェットテクノロジー株式会社 |

今回は復旧作業中の初めての観測実施であったため、通常の初期運用と同様に、電波の出力を段階的に上げながら試験的にストリップマップモード(通常モード)にて観測を行いました。今回の画像は、「ツクヨミ-I」が通常使用する出力のおよそ数分の一で取得されたものです。
なお、現在も通信系を中心とした制約が続き、商用ミッションへの参加に向けた状態まで回復しているものではありません。引き続き、段階的な復旧作業を継続しながら、取得画像の品質検証およびミッション運用に関する技術的安定性の向上に取り組んでまいります。
(※1) 画像化した際の1ピクセルの大きさを指します。ストリップマップモードではアジマス分解能1.8m、スポットライトモードではアジマス分解能46cm相当に画像化しますが、レンジ分解能は観測条件によって可変となります。
(※2) アジマス:衛星の進行方向。
(※3) レンジ:衛星のマイクロ波を照射する方向。衛星の進行と直交する方向で、ここではグランドレンジを指します。
(※4)QPS-SARはアジマス分解能1.8mのストリップマップモード(通常モード)とアジマス分解能46cmのスポットライトモード(高精細モード)の観測が可能です。