小型SAR衛星3号機および4号機「アマテル-I、-II」 衛星打上げについて
株式会社QPS研究所の小型SAR衛星3号機「アマテル-Ⅰ」および4号機「アマテル-II」は、2022年10月12日9時50分43秒(日本標準時)に、内之浦宇宙空間観測所からイプシロンロケット6号機により打ち上げられましたが、2/3段分離可否判断の時点で目標姿勢からずれ、地球を周回する軌道に投入できないと判断され、9時57分11秒にロケットに指令破壊信号を送出し、打上げに失敗との報告を受けました。
代表取締役社長 CEO 大西 俊輔 コメント
「この度の打上げは九州で製造された衛星を九州から打上げるという機会でもあり、福岡市内で開催されたパブリックビューイングで皆様と一緒に見守っておりました。衛星が予定通り軌道投入されなかったのは大変残念に思っております。しかし、弊社が推し進める36機の小型SAR衛星による準リアルタイムデータ提供サービスに向けては、2022年度は4機の打上げを予定していましたので、次の5、6号機に向けても歩みを止めず、取り組んでまいります。5号機はすでに公表させていただいた通り、2023年初頭にヴァージン・オービットで打上げ予定です。今回の経験が弊社にとって大切な財産になるべく、これを糧により力強い開発体制にして、皆様の生活にお役立ていただけるデータ提供サービスの実現を目指して今後も尽力して参ります。」
<株式会社QPS研究所について>
QPS研究所は2005年に福岡で創業された宇宙開発ベンチャー企業です。名前のQPSとは「Q-shu Pioneers of Space」の頭文字を取っており、九州宇宙産業の開拓者となること、更には九州の地より日本ならびに世界の宇宙産業の発展に貢献するとの思いが込められています。その名の通り、九州大学での小型人工衛星開発の20年以上の技術をベースに、国内外で衛星開発やスペースデブリへの取り組みに携わってきたパイオニア的存在である名誉教授陣と若手技術者・実業家が一緒になって、宇宙技術開発を行っています。また、QPS研究所の事業は、創業者たちが宇宙技術を伝承し育成してきた北部九州を中心とするもの作り企業と合わせて、全国25社以上のパートナー企業に力強く支えられています。
現在は、世界でもトップレベルの高精細小型SAR衛星を開発・運用しており、今後毎年複数の衛星を打ち上げて、2025年以降を目標に36機の衛星コンステレーションで、地球のほぼどこでも任意の場所を平均10分間隔という準リアルタイム地上観測データサービスを提供し、社会の発展と人類の生活の向上に貢献することを目指しています。今までにQPS-SAR1号機「イザナギ」、2号機「イザナミ」の2機を打ち上げ運用をしています。2021年5月には「イザナミ」による70cm分解能という民間の小型SAR衛星として日本で最高精細の画像取得に成功しました。