NIHONBASHI SPACE WEEK 2024
2024年11月18日(月)~22日(金)、東京・日本橋エリアで「NIHONBASHI SPACE WEEK 2024」が開催されました。日本橋を舞台に2020年からスタートした“国内外の宇宙プレイヤーが一同に会するアジア最大級の宇宙ビジネスイベント”です。
年に1度開催されているこのイベントは、政府、宇宙機関、アカデミア(学術団体)、民間宇宙ビジネスなど、60以上の企業・団体が参加、さらに宇宙ビジネスに精通するスピーカーが登壇する、まさに宇宙ビジネスの最前線を体感できる5日間です。回を追うごとに宇宙ビジネスへの熱量が増すこのイベントに、昨年に引き続きQPS研究所も参加してまいりました。5日間に及ぶ会期中にバラエティにとんだプログラムが催されましたが、ここでは5つのコンテンツを順にご紹介させていただきます。
【EXHIBITION】DAY:11月18日(月)~20日(水)
日本橋三井ホールにて3日間にわたるエキシビションが開かれ、国内外から54の宇宙ビジネス団体が集結し、各々のブースにて創意工夫を凝らした展示が行われました。QPS研究所のブースでは、小型SAR衛星「QPS-SAR」で観測した世界各地のSAR画像をプッシュボードパネル仕様にて展示。SAR画像とともにマメ知識をちりばめ、来場者様に楽しみながらSAR衛星の特性を知っていただける工夫を施しました。
多くの来場者様並びに出展者様にブース訪問いただき、QPS-SARによる衛星コンステレーションの有用性や、将来的に運用を目指している準リアルタイムデータ提供サービスなどをご紹介させていただきました。
ビジネス交流の好機となるこの展示会は、来場者・出展者共に実りある時間だったようで、最終日も閉場ギリギリまで各ブースは賑わいを見せていました。さらに、会場の一角に設けられたオープンスペースではミートアップが繰り広げられる一方、宇宙に興味を持つ学生さんのブース訪問姿も見受けられ、これからの宇宙ビジネスがより明るくなるであろうことを目の当たりにしました。
【PRESENTATION STAGE】DAY:11月18日(月)~20日(水)
室町三井ホール&カンファレンス Presentation Stageにて、宇宙ビジネスに携わる注目の58の企業・団体の取り組みや活動に関するプレゼンテーションが3日間に分けて行われました。各企業・団体の担当者が、現場ならではのリアルな「声」を5分間で熱弁。QPS研究所からは、2日目に執行役員 開発部長 上津原正彦が登壇いたしました。
「“最強“な衛星研究開発拠点をつくるために大切な3つのこと」というタイトルのもと、事業概要に加えて11月に稼働開始した新拠点「Q-SIP」の状況をお話しいたしました。このプレゼンテーションを聞いて、その後ブースに訪れてくださった方も多く、宇宙ビジネスに興味を持っていただき大変ありがたいです。
【CONFERENCE STAGE】DAY:11月18日(月)~20日(水)
室町三井ホール&カンファレンス Conference Stageでは、3日間にわたり様々な業界のトッププレイヤーが登壇するビジネスカンファレンスが行われ、産・官・学を交えた多彩な切り口のディスカッションが繰り広げられました。QPS研究所 代表取締役社長 CEO 大西俊輔も、「宇宙ビジネスの未来を拓く:金融支援と成功事例から学ぶ事業成長のモデルケース」を題するパネルディスカッションに登壇いたしました。
モデレーターは国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)新事業促進部 企画調整課長 菊池優太氏が務められ、パネリストはFrontier Innovations株式会社 代表取締役社長 西村竜彦氏、三井住友海上火災保険株式会社 企業マーケット戦略本部 宇宙開発チーム長 濱村康介氏、三井住友銀行 成長事業開発部 業務推進第一グループ 上席部長代理 横山嵩氏で、業界を代表する方々であり、そしてQPS研究所の成長を支えてくださった方々です。約1時間、宇宙ビジネスにおける金融支援の重要性についての討論を展開。今まであまり語られることのなかったこれまでの歩みの舞台裏の話にパネリストの方々のお話も盛り上がり、一緒に様々な課題を乗り越えてきたチームの強い絆を感じる内容となりました。
【NIKKEI FORUM 宇宙への未来2024】DAY:11月21日(木)
イベント4日目の日本橋三井ホールでは「NIKKEI FORUM宇宙の未来2024」(主催:日本経済新聞社)が開かれ、「新ビジネスの展望とリスクガバナンス」をテーマに各国政府関係者や有識者が集い、パネルセッションが行われました。
定員を大幅に上回る多くの聴講希望があったとのことで、当日は224人が会場聴講・オンライン聴講も2,411件と多くの宇宙ビジネスパーソンの関心を引くシンポジウムとなりました。
最初に基調対談が催され、モデレーターの日本経済新聞社 編集委員 小玉祥司氏より、宇宙航空研究開発機構(JAXA)理事長 山川宏氏、欧州宇宙機関(ESA)理事長 ジョセフ・アッシュバッハー氏のご紹介があり、両者による「日欧協力が切り開く宇宙開発の未来」と題した対談からスタートいたしました。対談では、ESAのこれまでの取り組みとこれからの宇宙計画について、さらにJAXAとの連携の重要性・日欧協力が鍵となる旨をお二人に語っていただきました。また、昨年から議論を重ねてきたESA・JAXA間の将来の大型協力ミッションに関する共同声明に、この対談のまさに前日に署名を締結したというホットな話題にも触れられるなど、両者の和やかな対談を皮切りに、宇宙ビジネスに携わるプレイヤーによるパネルセッションへと移りました。
「衛星ビジネス」と題したパネルセッション2では、モデレーターを日本経済新聞社 Nikkei Asia編集委員 大辺暢氏が務められ、慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科教授 神武直彦氏、ESA戦略・法務・渉外担当ディレクター兼パリ本社代表 エリック・モレル・ド・ウェストガヴェール氏、スカパーJSAT株式会社 宇宙事業部門 新領域事業本部 平田大輔氏とともにQPS研究所からはCEO 大西がパネリストとして登壇。
パネラー4者4様、各々の衛星ビジネスによる成功事例、さらに衛星ビジネスがもたらす未来についてのパネルセッションが行われました。衛星は宇宙にあるため世界中のどこでも、特に通信インフラが未発達の場所での有効活用が期待でき、BtoBにとどまらず今後はBtoCでの活躍も広がっていくことが注目されるなど、衛星ビジネスの利用価値の未来性を伺えるセッションとなりました。
また、パネルセッションの合間には、宇宙飛行士でSpace Port Japan理事を務める山崎直子氏からのビデオメッセージが流れ、宇宙ビジネスへ新規参入を検討する企業への期待とエールが送られました。 民間企業による宇宙開発参入により、国際的なルール作りが重要事項とされている今、各国政府関係者と民間企業との相互認識並びに意見交換が行われた今回のシンポジウムに多くの聴講者が耳を傾けていました。
【FUKUOKA SPACE TECH NIGHT】DAY:11月21日(木)
X-NIHONBASHI BASEにて、福岡県宇宙ビジネス研究会主催で福岡県の注目の企業によるピッチやネットワーキングが開催されました。国内宇宙ビジネスの先進地、九州。特に宇宙産業クラスターが活気に満ちている福岡県にフィーチャーした一夜となりました。QPS研究所からもCEO大西が「福岡・九州で盛り上がる宇宙ビジネスの展望」と題したトークセッションに登壇いたしました。
トークセッションのモデレータ一は般社団法人九州みらい共創代表理事の上村俊作氏、そしてパネリストは九州みらい共創で、九州各県を代表する理事である株式会社Space Food Lab. 取締役CMO菊池優太氏(熊本出身)、宇宙ライター井上榛香氏(福岡出身)そして、弊社の大西(佐賀出身)です。現在の福岡を中心とした九州全体の宇宙ビジネスの盛り上がりに関して、それぞれが感じていることを話しながら、今後、より発展させていただくための各想いを発表。最後にはそのために大切だと思うことをパネルに書いて発表しました。大西からは「持続力」。このまま勢いをつけてしっかりと展開していくためにも、とにかく続けていくこと、そして次の世代にしっかり引き継いでいくことの重要さを自身の経験からお話しさせていただきました。
今回も大盛況に終わった「NIHONBASHI SPACE WEEK 2024」。東京・日本橋がたくさんの宇宙ビジネスパーソンによって活気づいた5日間となりました。宇宙を目指す同志たちとの交流を通し、宇宙ビジネスへの期待と展望をより身近に感じ、QPS研究所も宇宙産業への貢献をより強固なものとして参ります。
最後に、宇宙産業におけるネットワークの拡大やビジネス共創の機会を提供してくださった、主催の一般社団法人 クロスユー様、共催の三井不動産株式会社様に心より御礼申し上げます。
〈NIHONBASHI SPACE WEEK 2024〉
共催:三井不動産株式会社