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2021年5月13日(木) 小型SAR衛星2号機「イザナミ」が 日本初(※1)の分解能70cmの画像取得に成功しました! 〜アジマス(※2)分解能70cm、レンジ(※3)分解能70cmを実現!〜

この度、本日2021年5月13日(木)に小型SAR衛星2号機「イザナミ」による分解能70cmの画像取得に成功したことを発表いたします。

約20 社の九州の地場企業と一緒に開発・製造した「イザナミ」はアメリカの宇宙開発企業「スペースX」の主力ロケット「Falcon 9」によって2021 年1 月25 日(月)0:00a.m.に打ち上げられ、1:14a.m.に高度約525km で軌道投入されました。そして同日の朝に、初交信が無事に成功し、30日(土)の朝に収納型アンテナの展開、そして打ち上げより約1カ月後の3月3日(水)に初画像取得を発表いたしました。その後、イザナミは連日順調に観測を続け、この度、分解能1m以下の高精細モード(スポットライトモード)でのアジマス分解能70cm、レンジ(グランドレンジ)分解能70cmの画像取得に成功いたしました(※4)。

市場での高精細画像のニーズは大変高く、2号機イザナミで取得に成功し、技術を実証できたことは、データ提供サービス事業の本格化に向けての大きな前進です。今後はさらに画像品質の安定化を図り、利用プラットフォームの整備をよりスピード感を持って進めてまいります。

 

(※1) 民間の100kg級小型SAR衛星において日本初を意味します。

(※2) アジマス:衛星の進行方向

(※3) レンジ:衛星のマイクロ波を照射する方向。もしくは、衛星の進行と直交する方向。

(※4) 分解能70cm相当で処理した画像。今後、順次画像評価を行う予定です。

 


画像詳細

撮影場所:

① 日本 大阪府豊中市

② 日本 東京都丸の内〜上野〜南千住エリア

 

撮影日時:

① 2021年5月4日(火)9:24 p.m.(日本時間)

② 2021年3月23日(火)9:06 p.m.(日本時間)

 

分解能(グランドレンジ相当):

70cm(アジマス分解能70cm x レンジ分解能70cm)

 

画像説明補足:

イザナミは分解能1.8mの通常モード(ストリップマップモード)と分解能1m以下の高精細モード(スポットライトモード)の撮影ができますが、この度は高精細モードでの観測となります。

 

画像処理協力:

アルウェットテクノロジー株式会社

 


SAR画像】

クリックすると拡大いたします。

 ①大阪府豊中市

中央部分の少し右が「千里中央駅」です。

 

①-1 万博記念公園付近

左上に鉄塔と電線の一部、左下には高さ123mの観覧車「OSAKA WHEEL」、「パナソニックスタジアム吹田」、中央付近に車庫に止まっているモノレールが見えます。

 

②東京都丸の内〜上野〜南千住エリア

 

-1 丸の内ビル群

 

-2 東京ドームシティ周辺

東京ドームの屋根が透けて見えるため、電光掲示板までわかります。

 

-3上野恩賜公園周辺

上野恩賜公園と不忍池が見えます。

 

-4 南千住駅周辺

右下に貨物コンテナが識別できます。

 


代表取締役社長CEO 大西俊輔 コメント

 

 

「衛星データ市場では、画像の分解能が高ければ高いほど、その活用方法の幅が広がるため、既存データと組み合わせながら今までは難しいと思われていたことも叶えることができるようになります。初画像の分解能1.8mのものから調整を続け、今回分解能70cmまで達成できたことで、広範囲の状況確認はもちろんのことですが、鉄塔などのインフラ設備や工事現場の状況、そして車などをより細かく観測するのに役立てることができます。スポットライトモードでの観測を達成できたことは、画像提供サービスを開始に向けた大きな一歩になります。今後は、社会にある潜在ニーズを引き出し、様々な要望に対応できるように、そしてさらに定常的かつスピーディーに画像を提供できるよう、運用チームとともに体制を構築していきます。」

 

プロジェクトマネージャー 上津原正彦 コメント

 

 

「1号機の運用結果を受けて、2号機イザナミにはさらに改良したソフトを組んだおかげで、打ち上げ後すぐに細かな調整に入ることができました。3月3日にストリップマップモードの画像取得成功を発表してから、衛星の安定化を図りながらスポットライトモードの観測を続けていました。このモードは1箇所を観測し続ける方法のため、ストリップマップモード以上に衛星の姿勢調整が細かく求められます。角度0.5度の誤差でも姿勢が安定しないと、画質に大きく影響してくるため、今回、イザナミが持つ機能すべてを駆使し、運用した結果として70cmまでの分解能の画像化ができたことを大変嬉しく、それを成し得たチームを誇りに思います。衛星の設計、開発、打ち上げ、運用、画像処理に関わるすべての皆様、QPS-SARのプロジェクトを応援してくださる皆様に心より感謝申し上げます。」